○両角委員
いよいよオリンピック・パラリンピックまで六カ月を切りました。先日は有明アリーナの完成式典があり、本日は、オリンピック開会式まであと百七十一日ということだそうでございます。
私からは、報告事項につきまして何点か質問をさせていただきます。
まず最初に、輸送運営計画V2について伺いたいと思います。
観客等の輸送のアクセシブルルートについて伺います。
今回の輸送運営計画V2では、各駅から会場までの観客ルートがこれでほぼ確定をいたしました。本ルートは、一般的な観客動線である歩行者ルートと、障害者の方などアクセシビリティーに配慮が必要な観客の動線として設定をされますアクセシブルルートの二種類から成っているわけでございます。
このうちアクセシブルルートは、大会に向けて、そしてその先のレガシーという観点からも、事前の整備が非常に重要であり、大会時のおもてなしの精神も強く問われるところであります。
また、障害者の持つ障害の種類の程度は非常に多様でありまして、アクセシブルルートでは、ハード、ソフト両面から総合的に取り組みを進めることが重要であると考えております。
私自身、ラグビーなどで実際に見た感覚では、車椅子使用者と視覚に障害を持つ方への対策が特に難しいと感じるところであります。
そこでまず、それぞれの障害に応じた対策、とりわけ車椅子使用者と視覚に障害のある方への対応をハード、ソフト両面からどのように進めているのか伺います。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長
車椅子使用者や視覚に障害のある方を初め、障害のある観客がアクセシブルルートを円滑に移動できるよう、組織委員会や各関係機関と連携し、対策を進めております。
具体的には、まず、ハード整備といたしまして、車椅子使用者に関しては、鉄道駅におけるエレベーターの整備や道路における段差の解消、視覚に障害のある方に関しては、駅から会場までの誘導ブロックの設置などを推進しております。
また、仮設施設の整備といたしましては、ルート上の各所に会場名や駅名、目的地までの距離と方向、多目的トイレやエレベーターの場所などを表示した仮設の案内サインを車椅子使用者にも見えやすいよう設置いたします。
ソフト対策といたしましては、シティキャストを配置し、障害のある観客が困っている場合には声をかけ、移動サポートなど適切な対応が行えるよう研修を実施してまいります。
○両角委員
さまざまな対策を検討いただいているということでありますが、まずは時間のかかるハード対策を進めることが大切ではないかと感じる次第でございます。大会まであと残すところ半年を切りました。既に大会時の見通しも立っていることと思います。
そこで、アクセシブルルートに関するこれらのハード整備は大会までにどの程度進むのか伺います。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長
ハード対策につきましては、アクセシブルルートの案を鉄道事業者や道路管理者と早期に共有しつつ、組織委員会や国と連携いたしまして、必要な具体的な対策内容を各管理者に依頼し、対策を進めているところでございます。
大会時には、都内会場向けに二十七駅設定しております全てのアクセシブルルートの対象駅におきまして、国のガイドラインに定められた水準以上の大きさのエレベーターの設置が完了する見込みでございます。
また、道路につきましても、駅から都内二十四の会場を結ぶ全てのアクセシブルルートにおきまして、連続的な誘導ブロックの設置が完了する見込みでございます。
○両角委員
今のご答弁で、早い時期から鉄道事業者や道路管理者に整備を依頼し、取り組みが進んでいることを確認ができました。
ところで、アクセシブルルートの設定位置でありますけれど、一般的な観客動線である歩行者ルートとアクセシブルルートが同一である場所が多いと、そのように感じるところでございます。
そこで、アクセシブルルートの設定の基本的な考えを伺います。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長
本大会では、障害の有無にかかわらず、全ての人にとってアクセシブルでインクルーシブな大会を目指しております。
そのため、アクセシブルルートにつきましては、可能な限り歩行者ルートと同一のルートに設定することを基本としつつ、距離や幅員、階段の有無などを踏まえ、一部の会場におきましては、状況に応じてルートを分けるなど、きめ細かにルート設定を行っております。
○両角委員
インクルーシブということでありまして、基本的な精神はそうであるべきであろうというふうに感じます。
一方で、大会時には、ラグビーのときがそうであったように、ルートは非常に混雑をすると思います。そうした中で、例えば誘導ブロックが十分に機能するかと心配でもあるわけでございます。
そこで、混雑することを踏まえて、大会時にはアクセシブルルートにおいてどのような対策を考えているのか伺います。
○小高オリンピック・パラリンピック準備局ボランティア担当部長
アクセシブルルートにおきましては、仮設案内サインを路上に設置することに加え、混雑時にも車椅子使用者から見えやすいよう、高い位置に取りつけるなどの対応も行います。
また、ルート上にはスタッフやシティキャストを配置しまして、誘導ブロックの上に滞留しないよう、観客に円滑な移動を呼びかけます。
さらに、視覚に障害のある観客に配慮し、交差点などの危険箇所では警備員やスタッフが声による案内を行うとともに、困っている場合にはシティキャストが声をかけ、適切なサポートを行っていただくなどの検討を進めております。
○両角委員
ただいまハード面のみならずソフト面の対策も、これはしていくということでありますが、もともと混雑レベルをEレベルと書いてありましたけれど、人がどうにか、いっぱいいっぱい歩けるようなレベルだと思いますけれど、そういう状況でありますので、十分ソフト、ハード、総動員して、トラブルのないような対応をお願いしたいと思います。
次に、舟運について伺います。
舟運については、我が党は繰り返し推進する方向で提言をしてまいりました。
そこで、まずは確認といたしまして、東京二〇二〇大会時の舟運活用の狙いを伺います。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長
東京二〇二〇大会時におきまして、舟運を活用して観客を輸送することは、道路や鉄道の混雑緩和に資するとともに、世界中から東京に集まる人々に対し、東京臨海部の魅力を発信することが目的でございます。
○両角委員
混雑緩和、輸送力増強もさることながら、舟運による東京の魅力を感じてもらうということがより重要なポイントかなと、そのように感じております。
輸送運営計画V2では、ルートや発着地が示され、発着地については、我が党の要望どおり、交通結節点である浜松町駅に近い日の出船着き場を利用することが示されたわけであります。大会に向けては、より詳細な内容を至急詰めていかなければいけないところだと思います。
そこで、海の森への舟運の運航について、想定する所要時間や運航頻度、輸送人員数など、検討状況を伺います。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長
海の森への舟運につきましては、現在、組織委員会や舟運事業者と連携し、具体的な運航方法を検討しているところでございます。
日の出船着き場から発着した場合、海の森公園船着き場までの所要時間は四十分程度と想定されます。
なお、河川などと比べ、比較的波のある海域を航行することなどから、利用できる船舶や運航頻度、輸送人員につきましては、舟運事業者と調整しているところでございます。
○両角委員
事業者との調整というのは重要なことになると思います。具体的な検討が進んでいるということで、一定の評価をしたいと思いますが、大会は舟運により東京の魅力を知ってもらう絶好の機会でもありますので、より多くの航路を設定することが望ましいと思います。
今後も舟運が活用できそうな候補地を発掘し、より多くの航路を設定する努力をお願いしたいと思います。
引き続きまして、交通マネジメントについて伺いたいと思います。
今回の輸送運営計画V2では、オリンピック・パラリンピックにおける安全で円滑な輸送と都市活動の安定との両立に向けた交通マネジメントということが新たなコンセプトとして打ち出されたところであります。
交通マネジメントのうち、特に交通需要マネジメントについては、通勤混雑緩和、あるいは効率的な物流等といった大会後のレガシーとするための大きなチャンスであると捉えて取り組んでいくことが重要だと思います。
そこでまず、交通需要マネジメントの現在の対応準備状況と課題並びに今後の取り組みを伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長
東京二〇二〇大会の成功には、円滑な大会輸送の実現と経済活動の維持との両立を図ることが重要でございます。
このため、都は、交通需要マネジメント、いわゆるTDMを初め、テレワークや時差ビズをスムーズビズとして一体的に推進しており、大企業や業界団体などを通じて呼びかけを行ってきております。
昨年夏の試行後のアンケート結果によりますと、中小企業の取り組み促進が必要なことから、中小企業や商店街などにも大会に向けた取り組みの必要性を理解し、実践していただくため、先月、二〇二〇物流TDM実行協議会を立ち上げました。
今後、TDMを一層促進するため、関係機関などとも連携し、業界団体や大企業への働きかけはもとより、中小企業や個人などにも広く大会に向けた準備が進められるよう取り組みを進めてまいります。
○両角委員
東京都では、小池知事の通勤混雑ゼロの号令のもと、これまで時差ビズやスムーズビズを通じて鉄道事業者や企業等に協力要請をして協議会を立ち上げるなど、一定の成果を上げてきたところであります。
交通需要マネジメントにおいては、鉄道事業者や企業の協力が不可欠でありますが、ここ数年での取り組みによって、都と関係機関や団体とは一定の意思疎通のルートや信頼関係ができ上がっているのではないかと、そのようにも思うところであります。
そこで、大会に向けた交通混雑緩和に関して、これまでのスムーズビズの取り組みのうち、鉄道にかかわる取り組みの経験はどのように生きているのか伺いたいと思います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長
これまで鉄道の混雑緩和に向けましては、時差ビズやテレワークなどにより、鉄道事業者、サテライトオフィスの事業者などの協力を得ながら、鉄道利用者の時差出勤などを推し進めてまいりました。
その後、これらに加え、交通需要マネジメントを含め、スムーズビズとして一体的に取り組み、昨年夏の試行においては、鉄道事業者と周辺の民間企業が連携して、鉄道駅周辺の企業に協力の呼びかけを行うなど、取り組みを拡大する動きも出てまいりました。これらの結果、朝のピーク時間帯に駅の利用者が一定程度減少するなどの成果も出てきております。
大会に向けましては、こうした企業同士の連携をさらに進められるよう広く呼びかけていくほか、利用者へのポイント付与などのインセンティブなど、鉄道事業者などの協力もいただきながら、さらなる混雑緩和に努めてまいります。
○両角委員
関係団体がいっぱいあって大変だと思うんですね。この分野は都市整備局が時差ビズとか、もともとは取り組んでおりましたので、局は違うんですけれども、東京都としてのそういった蓄積を生かして、引き続き取り組んでいただきたいと、そのように思います。
ところで、二〇二〇TDM推進プロジェクトに、本年一月末現在で二百二十九団体、四千百二十六の事業所が登録済みということであります。そして、その全ての従業員から何らかの取り組みを行うよう呼びかけているということでありますが、多くの企業へのアプローチをしている、そうした中で、しかし一方で、実際に大会時に交通需要を減らしていくためには、協力を呼びかけるだけではだめだと思います。実際の企業の意向を把握する必要がある、このように考えるわけでございます。
そこで、現在の企業の取り組み状況と、それを踏まえた対策について伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長
昨年夏のスムーズビズ推進期間の後に、企業に対しアンケートを実施し、この時点での取り組み状況を調査しております。その中では、テレワークや時差出勤など、一定の規模で取り組みがなされており、さらに、大会時に向けてこれから準備を進めるといった企業が全体の約半数に上りました。
さらなる取り組みを進めるため、昨年秋には、スムーズビズ推進大賞として、すぐれた取り組みを行っている企業を表彰するとともに、そうした企業に説明会にお越しいただき、他社に直接説明してもらう場を設けていただくなど、企業の取り組みを広く普及させてまいります。
今後もアンケート調査など、企業の取り組み状況を適時適切に把握し、多くの企業にご協力いただけるよう工夫し、大会の機運の高まりを踏まえ、働きかけを加速してまいります。
○両角委員
多くの企業に協力してもらうということは大変重要なことでありますが、一方で、協力した企業だけがちょっと我慢をして損をしてしまうというようなことがあってはならないんだというふうにも思います。
そのために、表彰制度に加えて、企業へのインセンティブの付与や支援ということをより一層工夫していただくよう要望したいと思います。
引き続きまして、期間中のEコマース業者への配送対策ということで伺いたいと思います。
ちょうど先日の新聞で報道をされておりましたが、配送業者さんに大会期間中の配送自粛というか、協力を要請するというような動きの報道がありました。昨年の試行では、物流の取り組みが極めて弱いという結果が示されたというふうに今回の報告書にはございました。物流に関しては、大会の期間中の個人の配送需要を減らすことも重要ではないかと、このように考えるわけであります。
そのためには、例えばアマゾンですとか楽天といったEコマース業者へ働きかけを行うとともに、国民の皆さんへ期間中の利用の自粛要請を行うことなども必要だと思いますけれども、今後の対応策を伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長
大会に向けた物流対策としては、最終消費者である市民にもご理解とご協力をいただく必要がございます。
昨年十一月には、発注から配送までのリードタイムの緩和など、配送事業者、荷主企業がお互いに協力し、物流の効率化に取り組んでいただくよう、Eコマースの業界も含め、五百を超える業界団体に対し、国と連携し協力を要請してまいりました。
今後、大会百日前などを契機に、これまでのポスターや動画を初め、テレビやSNS等のデジタル媒体を活用し、大会前におけるストックの呼びかけや大会期間を外した発注など、一般消費者のご理解とご協力を得られるよう取り組んでまいります。
○両角委員
先日の新聞報道では、配送業者さんは再配達の要望があったときには応じざるを得ないだろうと、そんなようなコメントも出ておりましたので、きめ細かい対応をしていただいて、周知、広報に努めていただきたいと、このように要望させていただきたいと思います。
引き続きまして、競技会場が集中をいたします湾岸エリアへのさらなる対応ということで伺わせていただきたいと思います。
今回のV2計画は、以前に比べ、より具体的な内容となっているわけでございますが、しかし一方で、これは全体的な状況だけではなくて、競技施設が特に集中するような地区については、大会関連交通と日常の通勤や生活の交通が同時発生をすることが予想されるわけでありますから、よりきめ細かい対策が必要になると、このように考えているところでございます。
例えば観客が集中をいたします有明地区や、あるいは豊洲地区などにおいては、開発が今まさに進んでおり、住民がさらにふえ続けているわけであります。通勤通学の方々のほかに、子供さんや高齢者の通院など、日常生活への影響というものも危惧をされるところであります。
これまで競技開催に伴う鉄道便の増や、あるいは大会時の交通の影響の地元説明に取り組んできているというふうには聞いておりますが、大会本番に向けては、これまで以上に混雑緩和に向けた取り組みが求められていると考えるところでございます。
そこで、こうした大会施設が集中をする地区では人も集中をすることから、よりきめ細かい対策が必要であると、このように思いますが、今後の取り組みについて伺います。
○村田オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長
競技会場などが集中する地区におきましては、大会時の会場周辺の交通規制や観客の移動などに伴う影響が予見されます。
こうした地域を重点的な取り組みを行う地域と位置づけ、これまでも組織委員会などと連携し、個別の企業や町会などに訪問いたしまして、交通量抑制のお願いや交通規制を含めた会場周辺交通対策の説明を丁寧に行ってまいりました。
今後も引き続き、地域の特性に応じまして、きめ細かく対応してまいります。
○両角委員
これまでもやっていただいているということですが、これらの地区については、特によりきめ細かい対応をさらに要望させていただきたいと思います。
輸送運営計画V2の最後でございますが、外国人を含めた大会来訪者向けのアプリなどの提供ということで伺いたいと思います。
当然のことながら、大会期間中は多くの外国の方がこの東京を訪れるということになります。特に外国の方はいろんな言語、あるいはいろんな国から来られているということで、交通にも不案内であるということは当然のことでありまして、そうした方々に適切に規制の状況や、あるいは鉄道の運行時間などの情報を伝える必要が、これはあるわけであります。
そこで、大会の情報や競技会場へのアクセス、さらには規制などについて、多言語対応で提供ができるアプリなどを開発して提供していくことが、こういったことに有効ではないかと考えるわけでありますが、見解を伺います。
○佐久間オリンピック・パラリンピック準備局輸送担当部長
大会時には延べ約一千万人に上る観客が主に都内の競技会場などを行き来すると見込んでおり、その中には東京にふなれな観客も含まれていることから、さまざまなツールを活用して適切に案内していくことが重要でございます。
過去大会におきましても、観客向けにはホームページやガイドブック、チラシ、看板など、さまざまなツールを活用して案内を行ってきております。
東京二〇二〇大会におきましても、観客が安心して競技を観戦できるよう、多言語化も含めて、さまざまなツールを用いて案内できるよう、組織委員会とともに検討を進めてまいります。
○両角委員
組織委員会とともに検討を進めていっていただけるということでありますが、特に多言語化とスマホ対応というのは必須だと思います。ぜひ検討を進めて実用化していただきたいと、このように思います。
引き続きまして、第十二回東京都聖火リレー実行委員会等について質問をさせていただきたいと思います。
私からは、オリンピックの聖火リレーについてお聞きをさせていただきまして、パラリンピックの聖火リレーにつきましては、後ほど白戸委員から質問をしていただくと、そんなようなことになっております。
まず、昨年末にはオリンピックの聖火リレーの都内の詳細のルートが発表されたわけであります。そして、聖火ランナーについても、その一部が公表されたということでございました。
そこで、都内でのオリンピック聖火ランナーの総数とその内訳、現在の選考状況について確認をさせていただきたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局聖火リレー担当部長
組織委員会によりますと、オリンピック聖火ランナーの総数は、日本全体で約一万人と聞いております。このうち、都内を走行するランナー数は約千二百人から千三百人とされておりまして、東京都聖火リレー実行委員会分として割り当てのあった人数は三百三十人でございます。
都実行委員会への割り当て以外の内訳は示されておりませんが、過去大会では全体の六割ほどを聖火リレーのスポンサーが選定したと聞いております。
また、ランナーの選考はおおむね順調に進んでおりまして、組織委員会からランナー当選の連絡をしておりまして、このうち、当選者本人から氏名等の公表について了解が得られ、公表した方は二百三十九人となっております。
○両角委員
都内千二、三百人ということでございまして、実行委員会分としては三百三十と。ですからスポンサー枠ですとか組織委員会枠ということで、半分以上これから決まってくるというふうに理解をさせていただきました。
都内での公募と推薦枠は合わせて三百三十人で、東京都の実行委員会では公募と推薦をそれぞれ同数というふうにしているわけでございます。他県においては、公募と推薦枠の人数分けというのはそれぞれであるというふうに聞いております。
そして、組織委員会の方では、選考に当たっての基本的な考え方として、国籍、性別、年齢、障害等の有無のバランスに配慮しながら、幅広い分野から選定をすると、そして開かれたリレーにしていくと、そういったことが示されているわけであります。
そこで、東京都聖火リレー実行委員会では、今お話をした組織委員会の考え方に加えて、さらにどのような視点で選考を実施したのか伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局聖火リレー担当部長
オリンピック聖火ランナーの公募の選考に当たっては、都としては、走行を希望する区市町村ごと、自己PRや応募動機に加えまして、東京や走行希望区市町村への思いとともに、組織委員会が定めた選考の基本的な考え方に基づいて、区市町村の意見を聞いて選考しております。
また、推薦につきましても、東京や区市町村にゆかりのある方などの選考条件をもとに、区市町村の意見を聞いて選考しております。
○両角委員
東京都実行委員会では、特に組織委員会でさらにトッピングしたこととして、東京や走行希望区市町村への思いということでございました。ですから、この区間、この区を走りたい、この市を走りたいんだという思いを持ったランナーが東京都内を走っていただけるということで、大いに盛り上がっていただくことを期待したいと思っているところでございます。
次に、セレブレーションについて伺いたいと思います。
今月の十五日には、私の地元八王子市も含めて、都内の三カ所で聖火リレーのリハーサルが実行されると、そんな運びになっているわけでございます。八王子市ではセレブレーションのリハーサルも実施予定であると伺っております。
七月十日にスタートする都内の聖火リレーでは、全体で十四カ所、セレブレーションが行われるわけでございます。
そこで、都内でのセレブレーションの準備状況について伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局聖火リレー担当部長
聖火リレーのセレブレーションは、毎日のリレーのゴール地点で聖火の到着を祝うセレモニーでございます。
セレブレーションは、組織委員会と実行委員会が地元区市町村やスポンサーの協力のもと、ステージプログラムや聖火の到着セレモニーなどを実施することとしておりまして、最後に聖火ランナーが到着して、一日のリレーが終了します。
現在、セレブレーションにおけるステージやブース等のレイアウトの検討を行っているほか、区市町村の地元の文化や歴史、伝統芸能など、地域の特色を生かして実施するステージプログラムの企画について検討、調整を行っているところでございます。
都は今後とも、組織委員会や地元区市町村と十分連携協力して、着実に準備を進めてまいります。
○両角委員
組織委員会や地元区市町村、さらに東京都との連携協力ということが大変重要なキーワードかなというふうに理解をいたしますが、そのセレブレーションの実施に当たって、組織委員会、東京都、地元の自治体、それぞれの役割分担と費用負担について確認をしたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局聖火リレー担当部長
セレブレーションの実施に関する役割についてでございますが、組織委員会は、ステージエリアを整備するほか、当日のセレモニーの進行管理等を担っております。都実行委員会は、セレモニー全体の運営のほか、会場内や会場周辺における警備等を担っております。会場となります地元区市町村には、セレモニー会場の確保やステージプログラムの実施などを担っていただくこととしております。
また、セレブレーションの実施に要する経費につきましては、それぞれの役割に応じて負担することとしております。地元区市町村が負担する費用に対しては、都は財政支援を検討しております。
○両角委員
地元の区市町村に対する都の財政支援も検討中であるということでございまして、セレブレーションはそれぞれの地元の特色を出した演出がなされるんだろうということを期待するわけでございますが、すばらしいセレブレーションとなるよう、協力と必要な支援を改めてお願いしたいと思います。
ところで、都内では、七月十日金曜日に駒沢オリンピック公園を聖火リレーがスタートいたしまして、七月二十四日に都庁にゴールをするという運びでございます。この東京でのグランドスタートとグランドゴール、特にグランドゴールについては開会式当日ということもありまして、全国的な、あるいは世界的な注目も集めるものではないかと思います。開催都市東京の魅力を発信する絶好の機会ともなると、このように考えるわけでございます。
そこで、都内のグランドスタート、グランドゴールは見る者の感動を呼ぶ演出を期待したいと思いますが、グランドスタート及びグランドゴールの演出に対する見解及び準備状況について伺います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局聖火リレー担当部長
都内のグランドスタートは、日本全国をめぐった聖火が東京に到着し、前回、一九六四年大会のレガシー施設である駒沢オリンピック公園で実施することとしており、ここから開会式までの十五日間の都内のリレーを盛り上げるための重要なセレモニーでございます。
また、グランドゴールにつきましても、開催都市東京でのリレーの最後を飾るセレモニーとして、都内のすばらしい場所をめぐった聖火の到着を多くの参加者で祝福し、開会式につなげたいと考えております。
現在、それぞれの会場につきまして、具体的な実施場所のレイアウトの調整やステージでの実施プログラム等の検討を行っているところでございまして、組織委員会や地元の自治体の意向も聞きながら準備を進めてまいります。
○両角委員
グランドスタート、グランドゴールが重要だという認識はお持ちだというふうに理解をしました。まだ準備は途中というか、これからというような感じでもございますけれど、感動ができる演出をぜひお願いいたします。
最後に、今後のスケジュールについて確認をさせていただきます。
今までるる伺ってまいりましたけれども、この聖火リレーに関して、今後のスケジュールはどのようになっているのか伺いたいと思います。
○田中オリンピック・パラリンピック準備局聖火リレー担当部長
オリンピック聖火リレーのルートにつきましては、昨年十二月に詳細なルートとセレモニー会場を公表しております。その時点で調整中としていた島しょの町村につきましては、引き続き調整を進めて、三月末を目途に公表する予定でございます。
また、ランナーにつきましても、引き続き、当選者本人からの公表の了解が得られた方から公表してまいります。
○両角委員
聖火リレーは大会直前の機運を大きく盛り上げる重要なものだと思います。そのフィナーレを飾る東京の位置づけというのは大変大きなものがあると、このようにも考えている次第でございます。
ぜひとも本番に向けてしっかりと準備をいただくようにお願いをいたしまして、次の東京二〇二〇組織委員会の大会後の業務完了に向けた取組方針について伺いたいと思います。
まず、都の大会の決算及び今後の派遣職員の扱いについて、東京都のことに関して伺いたいと思うんですけれど、これまで、五年ほど前にブエノスアイレスで東京の招致が決まって、その前からでしょうか、東京都では、組織、予算、マンパワー等々について、二〇二〇大会に向けたシフトをしいてきたわけであります。
これらを大会終了に向けて計画的にだんだん収束していかなきゃいけないと。そのためには、私は、東京都も組織委員会が今方針を定めたのと同様に何らかの方針を定めて、それにのっとって今後の業務を進めていく必要があるんではないかと、このように考えているんですが、そこでまず、大会終了を見通した都の今後の取り組みとして、東京都の五輪決算ということで伺いたいと思います。
二〇二〇大会にかかわる都みずからの予算、決算や関係文書などは、それぞれ都の関係規則にのっとって適切に保存をされていくというふうに思いますけれど、それとは別に、関連経費についても二〇二〇大会決算とともに決算を作成すべきと考えますが、見解を伺います。
○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長
大会の決算につきましては、開催都市契約において、組織委員会が監査済みの財務諸表を含む最終報告書を作成して、IOCに提出することと規定されております。
大会経費につきましては、都、国、組織委員会の三者が経費を負担しておりますことから、三者がそれぞれの決算を確定することとなります。都におきましては、新規恒久施設の整備や共同実施事業に要した経費について、決算額を確定させることとなります。
また、都は、大会に密接にかかわる事業や大会の成功を支える関連事業として、都が実施している大会関連経費についても、決算額を確定させることとなります。
これまで都は、大会経費と大会関連経費の予算について、できる限りわかりやすくお示ししてまいりましたが、大会後の決算においても、大会に係る経費全体の状況についてわかりやすく説明できるよう、国や組織委員会と連携して取り組んでまいります。
○両角委員
今のご答弁で、東京都は大会経費だけではなくて、大会関連経費についても決算をつくるということでございました。ぜひともよろしくお願いをいたします。
次に、派遣職員について伺います。
組織委員会は、東京都職員を初め、国や民間企業など、さまざまなところからの派遣職員により構成をされているわけでございます。大会時には組織委員会の職員は約八千人になるというふうに聞いておりますし、そのうちの都の行政系派遣職員は千人の規模に達して、派遣に係る延べの人件費は、全部トータルすると二百八十六億円に達する見込みであるということであります。
こうした中で、今般示されました大会後の業務完了に向けた取組方針では、開催に向けた人材の管理として、帰任先の選定や出向元との調整を円滑に進めるために、早い時期から出向元、派遣元とも調整を始めるとしているわけでございます。
大会の本番時には、都から行政職員が千人派遣をされるというお話でございますが、組織委員会への派遣職員の大会後の取り扱いは今後どのようになるのか伺います。
○中村オリンピック・パラリンピック準備局次長
組織委員会は、大会準備、運営を担うプロジェクト型の法人でございます。大会終了後は計画的に収束し解散することが前提の組織となっております。
そのため、都からの派遣職員につきましては、大会終了後における組織委員会の業務の内容ですとか業務量等を踏まえまして、組織委員会と協議を行いつつ、令和二年十月以降、段階的に派遣を解除していく予定でございます。
○両角委員
ことし、パラリンピック終了後、十月以降、段階的に派遣解除ということでございます。
組織委員会に派遣をされた職員というのは、職務を通じて国内外の機関や団体との調整を経験する人もいるでしょう。あるいは、多くの民間等の派遣職員とともに仕事をすることで、いろんな人的なネットワークを得ることもできるでしょう。さらには、都庁という行政組織とは全く違った意思決定の仕方や仕事の進め方というのを肌をもって感じることもできるんではないかと、このように思います。
こうした職員が千人規模で都庁の各局に戻ってくるということになりますが、そうした彼らの貴重な経験や知見が生かされるような人材の活用をしていくかしていかないかというのが、今後の都政にとって非常に重要ではないかと私は思うんです。異文化体験みたいなものですね。
組織委員会への派遣職員の今後の活用については、本人の意向も踏まえて、存分にその力を発揮させるということで、東京都全体のソフトのレガシーとしていくべきだろうと思うんですが、それはお聞きをしても、総務局だ、答えられないということでありますから、質問はいたしません。しかし、そういった視点を持って東京都全体では取り組んでいただきたいなと思うわけでございます。
次に、資産物品の管理、処分ということがこの報告の中にございまして、こちらについて伺いたいと思います。
この取り組み方針では、資産物品の管理、処分については、財産管理処分委員会へ付議し、承認を得ることで適正な処分を実施するとされているわけでございます。
そこで、まず確認をしたいと思いますが、都費が含まれている資産物品などについて、東京都としてはどのように考えているのか伺います。
○関口オリンピック・パラリンピック準備局運営推進担当部長
組織委員会では、大会運営に必要な資産物品について、レンタル、リースによる調達を優先することとしておりますが、購入等により調達した資産物品は、再使用、再生利用に取り組むとともに、歴史的価値を有するものにつきましては、アーカイブ資産として保管することとしております。
大枠の合意に基づき、都が経費負担している共同実施事業で調達する財産の再使用に当たりましては、庁内各局で可能な限り有効活用を図るとともに、都内区市町村等に照会を行うなど、都と組織委員会が連携し、調整を行っているところでございます。
○両角委員
余剰金について伺いたいと思います。
過日の委員会の答弁では、余剰金がもし仮に出た場合は、関係者によって慎重に取り扱うべきものであると、そんな認識が示されたわけでございまして、私としても、余剰金が出た場合の扱いは関係者が協議をすべき、そういった対象なんだというふうに理解をさせていただきました。
二〇二〇大会の開催に当たっては、開催都市東京都は、赤字の場合の補填義務という大変大きなリスクを背負っているわけでございます。そうしたことを考えると、本来であれば、比例の原則によって、余剰金についても主張をし得る立場にあるんではないか、このように考えるわけであります。
そこで、仮に余剰金が発生した場合には、その活用に対して都の意向反映を求めるなど東京都として主張をすべきであると、このように考えるわけでございますが、見解と今後の取り組みを伺います。
○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長
開催都市契約においては、剰余金の分配について、NOCすなわちJOCに二〇%、IOCに二〇%、OCOGすなわち組織委員会に六〇%。この六〇%については、JOCと協議の上で、組織委員会が決定する開催国すなわち日本におけるスポーツの全般的な利益のために使用することを目的とすることとなっております。
組織委員会の収支が黒字となり、剰余金が生じた場合には、大会経費を組織委員会、東京都、国が負担していることも踏まえまして、組織委員会及び関係者により慎重に取り扱いを決めるべきものと考えております。
○両角委員
ありがとうございます。仮に余剰金が出た場合は、関係者により慎重に取り扱いを決めるべきものと考えているという、同じ繰り返しの答弁でございましたが、仮に余剰金が出た場合は、しっかり主張しないと、これは都民から怒られますよ。そのことを指摘しておきたいと思います。
次に、共同実施事業と大会関係文書の適切な保存、公開と検証の仕組みの構築ということで伺いたいと思います。
共同実施事業については、都も参加をする作業部会を通じ、チェックがなされているというふうに理解をしております。
そこで、これまで共同実施事業管理委員会により、不適切とされた事案はどれほどあったのか、また、それらへの対応はどのようになされたのか伺います。
○菅原オリンピック・パラリンピック準備局調整担当部長
共同実施事業の契約案件は、案件が契約手続に入る前に、まず、都の担当が組織委員会の担当から内容をヒアリングし、積算資料等を確認しながら、必要な内容、機能か、適正な規模、単価か、類似のものと比較して相応か、公費負担の対象として適切かなどの観点からチェックをしております。
その上で、共同実施事業管理委員会のもとに設置している作業部会において、都、国、組織委員会の三者で確認を行っております。
その結果、これまでに公費負担の対象とする必要性が確認できなかったことなどから、その対象としないこととした事案や、パラリンピック経費の案分方法が適切でないことから、案分比率及び負担額を見直した事案がございます。
今後も、国と組織委員会とともに、一つ一つの案件について確認を行い、共同実施事業の適切な執行に取り組んでまいります。
○両角委員
これまでの事例を紹介していただきまして、必要性が確認できないということで対象外としたり、あるいは案分比率を見直したりということがあったということで、数は多くはないとは思いますけれども、しっかりとチェック機能が働いているんだということを確認できたとは思います。
最後でございますけれど、二〇二〇大会に関連して、私たち都民ファーストの会では、五輪経費の透明性の確保が非常に重要であるというふうに考えておりまして、議会の場でもそのことをお訴えをしてきたわけでございます。
今回の取り組み方針では、組織委員会の決算について、国や東京都とも十分に連携をしながら決算として適切に取りまとめると、このようにうたわれているわけでございますが、こうした観点からも、組織委員会が執行する全ての大会経費、さらには意思決定等で作成をした文書を後々検証可能な形で適切に整理、保存し、公開する仕組みを整えることが極めて重要であると、このように考えるわけでありますが、東京都の見解と今後の取り組み並びに大会成功に向けた局長の決意を伺います。
○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長
組織委員会が大会準備のため作成した文書等につきましては、IOCとの開催都市契約に基づく保存管理のルールや関係法に基づく保管義務がございます。
都といたしましても、東京二〇二〇大会の成功とともに、その成果を後世に引き継ぎ、レガシーを将来にわたって残していくことは大変重要なことだと認識してございます。そのため、これまでも組織委員会には、大会後を見据えた文書の適切な保存管理について働きかけを行ってまいりました。
その上で、現在、組織委員会では、大会後の組織委員会の解散を見据えて、取り組み方針を作成し、その中で文書等の資産について、都における公文書管理のあり方も参考に、解散後に適切に保存管理できるよう検討しているところであります。
具体的には、支出や意思決定の文書をリスト化するとともに、契約書や起案文書等の一元管理などを進めていると聞いております。
開催都市である都は、こうした取り組みに対し、組織委員会の文書を初めとした活動記録などの重要な資産が大会後においても適切に保存管理され、貴重なレガシーとなるよう、今後ともルールのあり方などについて積極的に関与してまいります。
大会開催まで半年を切った今、大会の準備もラストスパートとなります。引き続き、組織委員会を初め、大会関係者と連携協力しながら、記憶と記録に残るすばらしい大会となるよう万全な準備を進め、大会を成功に導いてまいります。
○両角委員
ありがとうございます。組織委員会の文書等について、成果を後世に引き継ぐことは極めて重要と、そういう認識が示されました。また、東京都もそのために積極的に関与をしていくという局長のご答弁をいただきました。どうぞ、大会まで期間も限られておりますけれども、ぜひともそういう視点も持ちながら、しっかりと準備に当たっていただきたいと思います。終わります。