前東京都議会議員 両角みのる
2018年5月24日

○両角委員 
私からも、ボランティアに関して、何点か質問をさせていただきたいと思います。
 オリンピック・パラリンピックの招致、東京大会が決まって、あのとき全国的に大変盛り上がったのがきのうのことのようでありますが、今、この特別委員会では、だんだんとオペレーションに関する議題、報告事項が多くなってきているな、そんなふうに感じます。
 そうした中で、このボランティアに関しては、オリンピック・パラリンピック競技を見るのも一つ、そしてもう一つ、このボランティア参加というのは、都民、国民がオリンピック・パラリンピックにかかわる大変重要な大きな要素である、そのように感じているわけでございます。
 そこで、まずはこのボランティアの役割に関して確認をさせていただきたいと思います。
 ボランティア要項案が発表されたわけでございますが、このボランティアに参加をしてもらうことによって、参加意識や機運の盛り上げをすると。あるいは、大会運営にかかわる実質的な戦力となるなど、いろいろボランティアに対して求めるものはあると思いますけれども、大会ボランティア、都市ボランティアそれぞれについて、主な役割は何であるのか伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 
大会ボランティアは、競技会場、選手村などの大会関係施設におきまして、観客へのサービス、競技運営のサポート、メディアのサポートなど、大会運営に直接携わる活動を行っていただき、大会を支える重要な役割を担っていただきます。
 都市ボランティアは、空港や主要駅、観光地などにおける国内外からの旅行者に対する観光、交通案内や、競技会場、最寄り駅における観客の案内などの活動を行っていただき、観客等をおもてなしの心を持ってお迎えをするとともに、大会を盛り上げる役割を担っていただきます。

○両角委員 
大会ボランティアについては、大会を支える重要な役割を担うということで、かなり実質的な役割を担っていくのかなと。一方で、都市ボランティアについては、おもてなしの心を持って大会を盛り上げるということをご答弁いただきましたので、参加をすることによって大会を一緒に盛り上げる役割がメーンなのかなと、そんなふうに理解をさせていただきました。
 ところで、このボランティアの問題を考えるに当たって、大会全体の中でどの部分をボランティアさんが担い、あるいはどの部分を直接都や組織委員会が担い、さらには専門的な委託業者等のスタッフが担う部分もあるんであろうと思います。
 そこで、この大会全体に関して、組織委員会や都の職員が直接担う部分、委託した民間会社等のスタッフが担う部分、そしてボランティアが担う役割については、どのような整理がされているのかを伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 
東京二〇二〇大会の運営主体である組織委員会の職員は、大会の準備、運営につきまして、それから大会の開催都市である都の職員は、組織委員会の支援や大会期間中の都市運営等についての企画立案を初めとするさまざまな業務を行うことになります。
 大会運営を支える人々のうち、専門性を要する業務や警備などにつきましては、請負事業者のスタッフが対応することになります。
 ボランティアは、選手や大会関係者、観客、メディアの案内やサポート等の活動を中心に行っていただくことになります。

○両角委員 
やはり、つかさつかさという部分があると思います。まずは、企画立案をしっかりしていただいて、その上で、専門業者をしっかり使うべきは使い、そしてボランティアさんに安心に安全に活動していただく、そういうことを心がけていただきたいと思います。
 次に、過去の大会におけるボランティアについて何点か確認をさせていただきたいと思いますが、過去大会でのボランティアの担った役割、実際の参加人数、大会ごとのボランティアの活用の特徴について、さらには、二〇二〇大会のボランティアの特徴を踏まえ、募集人数を大会ボランティア八万人、都市ボランティアを三万人としたことについての考え方を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 
過去大会におきまして、大会ボランティアは、会場内における観客の案内や競技運営のサポートなど、大会運営を支える役割を担い、ロンドン大会では七万人、リオ大会では五万人が活動いたしました。
 一方、都市ボランティアは、空港、駅、観光地における観光、交通案内等を行い、ロンドン大会では八千人、リオ大会では有償のシティーホストと呼ばれるスタッフ千七百人が活動いたしました。
 ボランティア活用の特徴といたしまして、ロンドン大会では、ロンドン市外の競技会場を有する地方都市におきましても、地元自治体が中心となってボランティアを採用し、国内外からの来訪者を迎えております。
 一方、リオ大会では、ボランティア活動が十分に浸透していないことから、リオ市はシティーホストを有償で雇用いたしております。
 東京二〇二〇大会では、ロンドン、リオ大会を上回る競技数が開催されること、ロンドン、リオ大会のように競技会場が集まるオリンピックパークがないことから、より多くのボランティアが必要となります。
 東京二〇二〇大会のボランティアにつきましては、競技種目や会場の決定状況を踏まえ、より多くの方々に参加いただけるよう、組織委員会が募集、運営を行う大会ボランティア八万人、都が募集、運営を行う都市ボランティア三万人としたところでございます。

○両角委員 
最初、この八万人とか三万人というのはどういう根拠で積み上げていったのかななんて思ったんですが、過去大会の状況や、あるいは東京大会が置かれた状況を踏まえて、最終的には、できるだけ多くの方々にボランティア参加をしていただきたいというところで、過去最大級のボランティア人数の募集要項案に至ったと、そんなふうに理解をさせていただきました。
 そこで、過去の大会というのは大変参考になる点があるんではないかというふうに思いますが、過去のボランティアの状況からはどのようなことを学んで、そして今回のこの要項案、計画に、どのようにその教訓が生かされているのかという点について伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 
ロンドン大会では、ボランティア活動が社会に浸透していた状況で、積極的な募集PRを行った結果、募集人数の約三倍の応募者を得ており、多くのボランティアを確保するためには、参加機運の醸成や裾野拡大を図りますとともに、十分なPRが重要であるという知見を得ております。
 これを踏まえまして、これまでもウエブサイトやシンポジウムを通じ、参加機運の醸成や裾野拡大に努めてきたところでございまして、今後の募集開始に向けましては、イベントの開催や映像、ポスター等を活用した広報など、積極的な取り組みを展開してまいります。
 また、リオ大会では、ボランティアの取り組みが計画どおり進まず、研修が十分に行えなかったケースが見受けられました。ボランティアが必要な知識やスキルを習得できるよう、ボランティアの募集、育成は早期から計画的に実施する必要があるという知見を得てございます。
 これを踏まえまして、ボランティアの募集要項案では、募集、研修等を早期から計画的に実施できるようスケジュールを設定いたしております。

○両角委員 
ロンドンではボランティアが社会に浸透しているという、まさに欧米はボランティア社会でありますので、日本の社会がどうかというと、そこまでボランティアというのは浸透していないということも踏まえて、今、二つのキーワードがございましたが、PRと研修ということに十分力を入れて、ボランティアさんの募集に取り組んでいただきたいと、そんなふうに思います。
 続いて、この募集人数、あるいは今話をしました周知、PR、あと、参加条件等について確認をさせていただきたいと思いますが、この募集要項案が発表され、報道されたときにかなり反響があったんではないかと思うんですね。
 どういう点かというと、十八歳以上であるとか、あるいは一日八時間とか、十日以上とか五日以上というところが注目をされたように私は感じました。
 そこで、大会ボランティアの募集要項案で応募条件として、大会のその時点で十八歳以上、さらに、大会ボランティアについては一日八時間程度、合計十日以上活動が可能な方、都市ボランティアについては一日五時間程度で合計五日以上活動可能な方というのが応募の条件となっているわけでありますが、これはどのような考えでこのような条件設定となったのか伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 
年齢につきましては、大会ボランティア、都市ボランティアともに二〇〇二年四月一日以前に生まれた方、すなわち二〇二〇年三月末時点で満十八歳以上の方としており、過去大会を参考にいたしますとともに、早朝の活動や夜遅くまでの活動が生じることから、このような条件といたしております。
 次に、活動日数につきましては、大会ボランティアは、ロンドン大会、リオ大会を参考にいたしますとともに、ボランティア活動をするために研修を受けるなどして身につけたスキルを十分に発揮していただくためにも、一定期間ご活躍いただきたいことから、組織委員会において、活動日数を十日間以上、一日八時間程度といたしております。
 一方、都市ボランティアは、過去大会を参考にいたしますとともに、週休日等を活用して参加できるよう、オリ・パラ両大会を通算して五日間以上といたしまして、活動時間についても参加しやすさを考慮し、五時間程度といたしたところでございます。

○両角委員 
都市ボランティアにつきましては、オリンピックとパラリンピックを通算できるということで、条件が若干緩い形に設定されているのかなと思いますが、今の応募条件というのはかなり厳しいんじゃないかという声は各所で上がっているんではないかと思います。
 さらに、過去大会に比べて、合計十一万人という数は最大級の募集数であるということを考えますと、合計十一万人に上るボランティアを確保することは容易ではないというふうに感じるわけでありますが、これだけの数のボランティアを確保できるという見通しがあるのか、またボランティア確保に向けての周知方法を含めた今後の取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 十一万人のボランティアに確実に参加いただけるよう、大会に向けてボランティアの魅力や活動内容、募集に関する情報を知っていただき、参加意欲を高めていくことが重要であると認識いたしております。
 これまで都は、ボランティアの魅力を伝えるウエブサイト、東京ボランティアナビにおきまして、過去大会におけるボランティア経験者の体験などを掲載いたしますとともに、組織委員会と共催でボランティアの重要性、やりがいや楽しさなどを伝え、参加機運の醸成を図るシンポジウムを毎年開催してまいりました。
 九月からの募集に向けましては、組織委員会と連携いたしまして、大会二年前の時期を捉え、ボランティアのPRを行うイベントの開催や、各種メディアにおける募集映像の放映、主要駅等におけるポスターの展開など、ボランティア募集に向けた広報を組織委員会と引き続き一体的に展開し、多くの方々に参加いただけるよう、積極的な取り組みを進めてまいります。

○両角委員 
これだけの数のボランティアの方にかかわっていただけるように応募していただくということは、まず、大会のボランティア、あるいは都市ボランティアという募集があるんだということを大勢の皆さんに認識をしていただくということが一番大きいわけでありますから、今お話をいただいたように、特に組織委員会と一体となってPR活動に力を入れていただきたいと思います。
 その上で、私は多摩地域、八王子選出の議員でありますが、八王子には、ご案内のとおり競技会場はありません。多摩地域にも、ごく限られた大会の競技会場しかありません。そういった意味でいえば、ボランティア参加というのが、大会に直接触れ合う大変大きなチャンネルであるというふうに思うわけであります。
 先ほど来お話が出ているように、子供たちが、特に中学生、高校生、これに参加をするというのは、将来にわたって心に残る、大変すばらしい経験になるんだろうと思いますが、その件につきましては、先ほど来質問が何件か出ておりますので割愛をいたしますが、先ほどご答弁の中で被災地を含む中高生というお話がございました。ぜひとも被災地の復興ということも、二〇二〇大会の主要なテーマであるということをもう一度心に刻んでいただいて、被災地の中高生が本当にかかわれるように、しっかり具体的な案を考えていただきたいと思います。
 一方で、私、朝、駅なんかで立っていると、サラリーマンの方がいっぱい通勤していかれるわけですね。再来年の夏の七月、八月、オリンピックやパラリンピックの開催時期も、会社は一斉休みというわけでもないでしょうから、多くの方が通勤をされている。
 しかし、この世界的な大イベント、スポーツイベントを日本で、東京で開催をされている中で、やはりサラリーマンの方もボランティア参加したいなという気持ちを持っている方は大勢いらっしゃると思います。
 しかし、今の参加条件というのは大変厳しいなというのは、先ほど来、私の耳にも届いているところです。限られた一定の期間の中で、特に大会ボランティアについてはオリとパラが別々でありますから、それぞれの期間内にほぼ十日休みをとるというのは非常に困難ではないかなと思います。土日含めて十日というのもなかなか厳しい、例えば通勤者、サラリーマンの方でいえば、土日とあとウイークデーで三日ぐらい休みをとれるかなという方はいらっしゃると思うんです。
 そこで、大会ボランティアの役割というか職種を見ると、非常に多岐にわたっています。いろんな役割があると。ご自身の特性に応じて職種というか、かなりいろいろあるわけですね。ですから、例えばここにあるのはアテンドとか、運営サポート、ヘルスケア、メディア、式典。それぞれ一律に全部十日というふうにすると、それもちょっと機械的ではないかなというふうに思うわけでございます。
 そこで、先ほど来出ていますが、ちょっと切り口としては、活動分野に応じて柔軟な、もう少し通勤者の方もボランティアの応募がしやすいような条件緩和をすべきだというふうに思うんですが、その見解を伺いたいと思います。
 一方で、関東圏以外の方は、これは全国からボランティア参加を求めるわけでありますから、宿泊の手当てなど、ハードルが非常に高いと思います。そこら辺も含めて、サラリーマンの方がボランティア参加をしやすいことに対する見解を伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 
ボランティアの募集につきましては、働く世代や子育て世代を含め、多様な人々が応募し、活躍できるようにすることが重要でございます。
 一方、ご指摘のように、大会ボランティアの応募条件に対し、さまざまなご意見があることは承知いたしております。
 大会ボランティアの活動日数につきましては、ロンドン大会、リオ大会を参考にするとともに、ボランティア活動をするために研修を受けるなどして身につけたスキルを十分に発揮するためにも、一定期間ご活躍いただきたいことから、組織委員会において活動日数を十日間以上、一日八時間程度としております。
 現在、組織委員会では、有識者等の意見も聞きながら、募集要項案について議論を行っており、都といたしましてもオブザーバーとして参加をいたしております。委員ご指摘の点も含め、ボランティアにつきましては課題があることから、その確保に支障が生じないよう、組織委員会と協力して取り組んでまいります。
 なお、宿泊につきましては、過去大会の状況も踏まえまして、自己負担、自己手配をお願いしているところでございますが、遠方からお越しになるボランティアのため、都と組織委員会で連携し、多様な宿泊施設の情報提供について検討してまいります。

○両角委員 
せっかくこの東京都議会にこういう特別委員会が設けられて、大会運営のボランティアの関係については組織委員会マターですよね、しかし、それもテーマとして議論が行われているわけでございます。
 今、オブザーバーとして参加をしているんで、この間、五月二十九日に、ボランティアのための組織委員会の分科会が開かれるというような発表もあったようでありますが、ここで、ただいいっ放し、聞きっ放しということでも何ら進展がございませんので、この委員会で出た意見等をしっかりと伝えていただいて、できるだけ職種に応じた柔軟なボランティア参加のあり方というのを募集要項の中に反映させていただきたいなというふうに要望させていただきたいと思います。

 次に、ダイバーシティーの観点で伺いたいと思います。
 東京都も、三つの柱の一つに、今ダイバーシティーということをうたっているわけでありますけれども、ダイバーシティーの観点からは、ハンディキャップをお持ちの方がその状況に応じてボランティア参加ができるということが重要だと思うんです。ハンディキャップのある方をサポートするということではなくて、ハンディキャップのある方がボランティアするということに対する見解を伺います。
 あわせて、ハンディキャップのある方々のボランティア参加への具体的な対応について伺いたいと思います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 
東京二〇二〇大会では、都民一人一人が大会の担い手であると実感し、大会をより身近に感じられるよう、障害の有無などにかかわらず、多くの都民がボランティアとして大会を支える取り組みが重要でございます。
 これまで都は、ボランティアの魅力を伝えるウエブサイト、東京ボランティアナビを通じて、障害者のボランティア活動の事例や活動機会を発信してまいりました。障害者のボランティアへの参加促進に向けまして、活動に当たって配慮や支援を要する内容を申し込み時に把握し、それぞれの状況に応じた適切な配置を実施してまいります。
 あわせて、都が運営する都市ボランティアにおきましては、障害のある方が不安なく参加できるよう、介助者などとグループで応募できる仕組みを構築してまいります。
 東京二〇二〇大会に向け、障害者が参加しやすい環境を整え、障害のある都民もボランティアに参加し、多様な活動ができるよう取り組んでまいります。

○両角委員 
障害者の方のボランティア参加については、かなりしっかりした検討がなされているんだなというふうに思っておりますので、さらにこの検討を具体化していっていただきたいと思います。
 次に、研修等について伺いたいと思いますが、東京二〇二〇大会のときには、まさに全国、全世界から大勢の方がこの東京を訪れるわけでございます。
 今、インバウンドも四千万になろうと、目標ということでございますけれど、その中で、多くの方の中に大変多くのムスリムの来訪者も予想されると思います。そうした中で、宗教理解や地域の歴史の理解、さらには緊急時対応など、必要な知識を事前に得ておくべきではないかなというふうに考えるわけでありますが、事前研修の期間と内容について伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長
 ボランティアには、国内外から訪れる多くの選手、観客に対し、文化や宗教等の多様性を踏まえ、適切な案内を行うことに加え、事故や火災等の不測の事態が発生した際、速やかな通報など、状況に応じた適切な対応を行っていただく必要がございます。
 そのため、都と組織委員会は、来年十月より、ボランティア全員が受講する共通研修等におきまして、多様性の理解を深めるためのダイバーシティー研修や、緊急時の連絡方法やAEDの使用方法を初めとする初動対応を習得できる研修などの実施を検討いたしております。
 また、二〇二〇年六月より実施するボランティアの役割別、配置場所別研修におきましても、ボランティアの役割により、多様性を踏まえた案内方法や、医務室との連携方法等を習得していただくことを検討してまいります。

○両角委員 
ダイバーシティー研修や初動対応研修ということを今検討していただいているということでございますので、しっかりとそこら辺の対応ができるように進めていただきたいというふうに思います。
 今、世界の各国から、まさに宗教も、言語も、習慣も、文化も、さまざまな方がこの東京に集まってくるというお話をしました。一番わかりやすいのは言語でございます。全く通じないとかいう局面が出てくるわけでありますから。言語については、世界的な国際語である英語だけではなくて、もちろん中国語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語とか、かなり世界で多く話されている言語、それ以外の言語の方もいっぱいいらっしゃると思います。
 ですので、先ほどの質問等々で出ていますけれど、過去、平昌等でもちょっと言語の案内が弱かったよとか、そういう経験を語られている方がいらっしゃいましたけれど、まさにボランティアをやられる方も、直接そういう諸外国の方に第一線で当たられるということでございますので、そこで私は、今日本のITの技術をしっかり活用していくべきだ。今、自動翻訳機とか、自動翻訳ソフトというのがどうもネットとか、いろんな広告を見ると、非常に優秀になっているようでありまして、例えば七カ国語対応で、イヤホンをつけて同時通訳的なことができるとか、あるいは、小さい機器でそれぞれが違う言語で話したことを逐次翻訳をするというような機械が大変普及をして、どうもこれがかなり使えるというような口コミになっているわけでございます。しかも、これはまだ大会まで二年あるわけでありますから、さらに磨きがかかって、もっといいソフトなりができていくだろうというふうに思います。
 そこで、大会期間中に世界中からさまざまな言語、宗教、習慣の人々が東京を訪れるわけでありますから、今お話をしたような多言語の相互翻訳ソフトの能力が非常に向上している、実用が高まっているという中で、ボランティアの活動においても、この自動翻訳機や自動翻訳ソフトを積極的に有効活用していくべきと思いますが、所見を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 
東京二〇二〇大会におきましては、世界中から訪れる選手や観客を初めとする多くの来場者に対し、ボランティアがICTを効果的に活用しながら、多言語で適切な案内を行い、国内外からの大会関係者や旅行者にスムーズに対応することが重要でございます。
 都は、都市ボランティアの活動拠点それぞれの状況やニーズを踏まえまして、外国語のスキルを有する人の適切な配置を行うほか、各ボランティアが対応可能な言語を観客等にわかりやすく表示する方法を検討してまいりますが、加えまして、多言語に対応した大会関連情報アプリ開発の検討や、地図やガイドブックなど、配布資料の多言語対応についても検討することはもちろん、音声翻訳アプリの活用を図ることにより、ボランティアによる案内をより効果的に実施できるよう取り組んでまいります。

○両角委員 
今、ご答弁の中で音声翻訳アプリの積極的活用というお話もございました。このことは実は、ほかの国から見て日本はIT先進国、あるいは技術立国、そういうイメージにも資するんではないかと思いますし、実際有効だと思いますので、ぜひとも活用を図っていただきたいと思います。
 
次に、ラグビーワールドカップについて伺いたいと思います。
 ラグビーワールドカップのボランティアさんについては、もうこの大会自体が二〇一九、来年でございますので、今まさにボランティア募集の最中でございます。大会自体は来年の九月二十日から十一月二日ということでありますが、こうした中で、全国十二会場で行われるラグビーワールドカップ、その中の東京会場については、おおむね三千人のボランティアの方に活動していただくという計画になっているわけでありますが、先ほどお話をさせていただいたように、四月二十三日からもうラグビーのボランティアさんについては募集が始まっています。ちょうど一カ月がたったところであります。
 七月十八日までのほぼ三カ月間にわたって、このボランティア募集が今まさに行われているということでありますが、この応募状況等は、オリンピック・パラリンピックのボランティアさんの応募を見る試金石になるかもしれない、そのように考えます。
 そこで、来年に迫ったラグビーワールドカップ、既にボランティア募集が始まっているわけでありますが、現時点での応募状況を伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 
ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会によりますと、五月二十三日時点の東京会場における応募者数は五千四百二十六名となってございます。

○両角委員 
ラグビーワールドカップの東京会場のボランティアさん、昨日時点で五千四百二十六人応募が来ているというお話でございました。これは、三千人活動していただくうちの千人程度については、東京都の観光ボランティア等々の方から推薦をするということでありますので、公募をかける二千人に対して五千四百二十六人。
 要は、今、ボランティアの募集期間の三分の一の期間です。だから、まだあと二カ月ある中で、一カ月で募集人員の二・五倍の方が応募してきているというのがラグビーワールドカップの状況でありまして、これを伺ったときにちょっと驚いたんですね。これだけボランティアをやってみたいという方がいらっしゃるんだな。
 ただ、ラグビーワールドカップの東京会場の場合は、やっていただく最低の期間が五日間ですよと、条件がちょっと緩いというところがありますから、こういった条件も、先ほど来お話をしているように、オリンピック・パラリンピックもこういうラグビーのワールドカップの応募状況を見れば、大勢来ていただけるのかもしれないけれど、それはやっぱり参加条件にもよるのかなということなので、ここはもう一度再検討をしていただきたいとは思います。
 それで、ラグビーワールドカップについては、東京都は、東京都観光ボランティア、あるいはVOLUNTAINERから組織委員会に千人程度を推薦するということ、別枠で千人推薦するということなんですが、現在の推薦希望者数と今後の予定について伺います。

○田中オリンピック・パラリンピック準備局運営担当部長 
今月二十三日の時点で、東京都観光ボランティア及び東京マラソン財団オフィシャルボランティアクラブVOLUNTAINERのうち二千五十九人の方々より推薦の希望を受けてございます。
 都は今後、希望のあった方々のうち千人を、ラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会に推薦する予定でございます。

○両角委員 
こちらの推薦枠も千人に対して、まだ始まって一カ月でというか、今現在で二千人以上推薦希望があるということで、二倍以上の方が来られているということは、大変ありがたいことではないかなというふうに感じております。
 ですから、多分、ボランティア希望というのは潜在的には非常に多いんじゃないかなというふうに感じますので、それをしっかり受けとめられるような、やっぱり条件整備というか、オリンピック・パラリンピックについても必要なんだなということを改めて感じたところでございます。
 次、最後の質問ということになりますが、我々の会派はもともと、ラグビーワールドカップの知見や経験をしっかりと次のオリンピックに生かしていくべきだということを主張しているわけでございますが、このボランティア活用についても、ラグビーワールドカップでの経験というのは、翌年の二〇二〇大会に大きく生かすことができると思います。
 ボランティアを含め、ラグビーワールドカップでの経験をどのように二〇二〇大会に生かしていくのかということを、局長の決意を伺わせていただきたいと思います。

○潮田オリンピック・パラリンピック準備局長 
都は、ラグビーワールドカップ二〇一九と、翌年に開催されます東京二〇二〇大会を一体のものとして捉え、現在、着実に準備を進めておりまして、二〇一九年大会で得た経験、ノウハウをしっかりと東京二〇二〇大会に生かしていくことが重要でございます。大会運営を支え、観客の案内等を行いますボランティアは、両大会共通の課題として取り組みを進めてまいります。
 二〇一九年大会時に東京会場で活動した三千人のボランティアの皆さんには、例えば二〇二〇年に都市ボランティアのリーダーとして活躍をいただくことや、経験、ノウハウを他のボランティアと共有していただきまして、全体のレベルアップを図っていただくことを期待しております。
 また、研修の成果やボランティアの配置、活動状況など、運営状況を検証いたしまして、東京二〇二〇大会の都市ボランティアの効果的な運用に生かしてまいります。
 ボランティアのほかにも、治安対策、サイバーセキュリティーなど、安全・安心への取り組みや、鉄道やシャトルバスを活用した観客輸送など、ラグビーワールドカップ二〇一九からは貴重な経験、ノウハウを得られることが見込まれます。
 そうしたことから、それらをしっかりと検証しまして、二〇二〇大会で十分に活用していくことで、両大会を成功に導いていくよう全力で取り組んでまいります。